筑波大學
理化學研究所

◆発表のポイント

 岡山大學異分野基礎科學研究所の加藤公児特任準教授、中島芳樹特任助教、秋田総理準教授、沈建仁教授、筑波大學の宮崎直幸助教、理化學研究所の濵口祐研究員、米倉功治グループディレクター(東北大學 多元物質科學研究所を兼任)らの共同研究グループは、クライオ電子顕微鏡を用いて、シアノバクテリア由來光化學系IIの構造を1.95 ?(1 ? = 1×10–10 m)の解像度で高精度に決定しました。得られた構造は、クライオ電顕観察の際に照射される電子線により、損傷を受けていました。そこで注意深く電子線量を調節することで、損傷を大幅に減少させ、且つ高精度を保った構造が得られました。この構造はX線結晶構造解析で解析されたものと類似していましたが、より生體內に近い狀態を反映する特徴を持っていました。本研究成果は、日本時間3月22日(月)19:00(英國時間:22日10:00)、英國の科學雑誌「Communications Biology」に掲載されました。
 この研究成果は、クライオ電顕観察の際に用いられる通常の電子線量ではタンパク質に損傷を與えており、損傷を回避するためには電子線量をどのぐらい減少させる必要があるかを決定するための指標となります。

◆研究者からのひとこと

この研究は生化學的なタンパク質試料調製法、最先端裝置と構造解析法を駆使して、はじめて達成することができました。研究成果を発表するまでには多くの困難がありましたが、共同研究者の皆様、研究室メンバーの協力により得られた成果です。
加藤特任準教授

■論文情報論 文 名:“High-resolution cryo-EM structure of photosystem II reveals damage from high-dose electron beams”掲 載 紙:Communications Biology著  者:Koji Kato, Naoyuki Miyazaki, Tasuku Hamaguchi, Yoshiki Nakajima, Fusamichi Akita, Koji Yonekura and Jian-Ren ShenD O I:10.1038/s42003-021-01919-3U R L:https://www.nature.com/articles/s42003-021-01919-3

<詳しい研究內容について>
光化學系IIの立體構造をクライオ電顕で高精度に決定~生體內環境に近い狀態での分子構造決定に光明~

<お問い合わせ>
岡山大學 異分野基礎科學研究所
特任準教授 加藤 公児 (かとう こうじ)
(電話番號)086-251-8630
(FAX) 086-251-8502

同上
教授 沈 建仁(しん けんじん)
(電話番號)086-251-8630
(FAX) 086-251-8502

筑波大學 生存ダイナミクス研究センター
助教 宮崎 直幸 (みやざき なおゆき)

理化學研究所 放射光科學研究センター 利用技術開拓研究部門 生體機構研究グループ
グループディレクター 米倉 功治(よねくら こうじ)
(理化學研究所 科技ハブ産連本部 バトンゾーン研究推進プログラム
 理研-JEOL連攜センター 次世代電子顕微鏡開発連攜ユニット ユニットリーダー
東北大學 多元物質科學研究所 教授)



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